Break〜ピアノの小話〜

opって何?

「ノクターン第2番 op9-2」とか「ソナタ第14番 op.27-2」とか"op"って目にしませんか?
opとはある作曲家の作品の通し番号のことです。
出版された順番に番号が振られています。
またopを使わない作曲家の番号もあります。
色々種類があるのでまとめてみました。


「op」…多くの作曲家に用いられる表記

ラテン語のopus(作品)の略です。オーパスと読みます。
例えばop.1を日本語で読み上げるときは「オーパス1」「作品番号1」「オーピー1」といいます。
出版された順番に番号が付けられています。

死後出版された作品を遺作といい「op.posth(またはop.post)」と書きます。
postumous(ラテン語・ポスチュマス)、posthumous(英語・ポスチュマス)、posthume(フランス語・ポステューム)の略です。

また「op9-2」のようにop.○-○とハイフンが書かれてある番号は数曲セット(曲集)で出版された曲を表しています。
(ハイフンの後ろの数字がその曲集の中での順番です)
例えばショパンの「ノクターン第2番 op9-2」は第1番〜第3番の3曲セットで「3つのノクターン op.9」として出版された曲集の2番目なのでop.9-2となります。
有名な別れの曲や黒鍵、革命は「12のエチュードop10」と出版された曲集の中の1曲なので、3番の別れの曲はop.10-3、5番の黒鍵はop.10-5、12番の革命はop.10-12という作品番号になっています。
余談ですがopusの複数形がopera(オペラ)です。


ある特定の作曲家に付けられている番号表記です。

opを使わない作曲家の作品番号表記です。
(opと併用の作曲家もいます)
作品番号を見ると誰の作曲だかわかることが多いです。

BWV
J.S.バッハに用いられる作品番号です。
ドイツ語のBach Werke Verzeichnis 
バッハ・ヴェルケ・フェアツァイヒニス(バッハの作品集)の略。
ドイツ語ですが読み方は「ビー・ダブリュー・ブイ」と英語です。
バッハの作品を作曲ジャンルごとに通し番号が振られています。
例えばBVW.1など始めの方はカンタータやモテット、BWV.700前後はオルガン曲です。

HWV
Hになるとヘンデルの作品番号になります。
バッハと同じくジャンル別に番号が付けられています。

KL
スカルラッティの作品番号です。
Kはカークパトリック番号、Lはロンゴ番号。
両方とも一般的に使われていますが同じ番号でもKとLでは違う曲になるので注意が必要です。

Hob
オランダの音楽学者ホーボーケンによってまとめられたハイドンの作品の番号です。
例えばHob.1の場合は「ホーボーケン番号1」といいます。

K(又はKVと表記)
ケッヘルによって付けられたモーツァルトの作品番号です。
KVはKochel(ケッヘル)-verzeichnis(目録)の略です。
K.1の場合「ケッヘル1」といいます。
ケッヘル番号をつけた後にも作品の順番の入れ替えがあったり、新しく発見されたりして何度も改訂を重ねています。
(K3.○やK6.○などコンマの前の数字は第何版なのかを表しています)
K.○aとかあるものは改訂された後の番号です。
例えば1と2の間に作られた曲が発見されるとそれは1a,1b…と小文字のアルファベット番号がつきます。
更に1aと1bの間に見つかると1aA,1aBと大文字が使われます。
改訂された後も前の番号の馴染が深かったのでK.○(K.○a)と古い番号と括弧をつけて新しい番号を表記することもあります。
余談ですが第3版を改訂したアインシュタインと相対性理論で有名な物理学者アインシュタインは従兄弟同士です。

WoO,Hess
WoOはopがない作品に付けられた番号です。
HessはopもWoOもつけられていない作品に付けられた番号です。
WoOはWerke ohne Opuszahl(ヴェルケ・オーネ・オープスツァール)の略、Hessは人名です。

D
ドイッチュによってつけられたシューベルトの作品番号。
シューベルトの作品番号はopとDの2通りあります。

SR
Sはサール番号、Rはラーベ番号。
リストの作品番号です。



共通で用いられる表記です。

また失われた作品や断片、自作か疑わしい作品にはAnh ○という追加番号が付けられています。
AhnはAnhang(追加・アンハング)の略です。
バッハの場合はBWV Anh○、モーツァルトはK.Anh○というふうに使います。
読むときはアンハング○や追加番号○といいます。


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