Let's Play The Piano〜ピアノを始めよう!〜
楽典
色々な形式
曲はただ音符を並べれば出来上がるというものではありません。
色々な形式の中で緻密に計算されて出来上がるのです。
「別にピアノが弾ければそれだけでいい」
といわれる人もいますが、これから弾く曲がどのような構造をしていて、
どんな特徴を持っているのかを知って弾くのと、知らないで弾くのとでは全く違ってくると思います。
深く分析するのは確かに専門知識が必要で大変なことですが、大まかでいいので記憶に留めておいて下さい。
旋律の構造
1つのメロディがどのような構造になっているかを知りましょう。
1つの旋律の最小単位は動機(モティーフ)と呼ばれ2小節から成ります。
ベートーヴェンの「運命の動機」って言葉を聴いたことがありませんか?
これは交響曲第5番<運命>の第1楽章の冒頭「ダダダダーン」という所がこの曲の動機なのです。
動機を2つつなげた物を小楽節、
さらに小楽節を2つつなげた物を大楽節といいます。
つまり大楽節は8小節からなり全ての形式の基礎になっています。
2部形式、3部形式
2部形式は大楽節を2つもつ形式です。
最初の大楽節をA、またその大楽節と楽想が違う大楽節をBとします。
2部形式を図式化するとA−Bか
Aがそのまま2回使われるA−Aか
Aに類似したA’になるA−A’というパターンがあります。
3部形式は大楽節を3つもつ形式です。
大抵はA−B−A’というパターンです。
またこれらには複合2部形式、複合3部形式もあります。
複合〜部形式は曲を大きく捉えると結局は〜部形式である場合のことです。
例えばABCDABと進む曲があるとします。
でも大きく捉えるとA{AB}B{CD}A{AB}の3部形式で複合3部形式ということになります。
最も大規模な複合3部形式はA{ABA}B{CDC}A{ABA}で72小節あります。
ロンド形式、ロンド・ソナタ形式
ロンド形式はA−B−A−C−A。
又はA−B−A−C−A−D−A。
つまりAが交互にあらわれAで終わるのがロンド形式です。
ロンドは明るく軽やかでテンポも速めに書かれています。
ロンド・ソナタ形式は、提示部{A−B−A}中間部{C}再現部{A−B−A}。
ソナタ形式とロンド形式が結合された形です。
ソナタ形式では提示部で第1主題Aと第2主題Bが終わると展開部ですが、
ロンド・ソナタ形式ではまたAが現れます。
ここら辺がロンド形式な感じです。
中間部は展開部にあたる所ですがロンド形式に近く比較的自由な展開で進みます。
再現部はソナタ形式と同様に第2主題Bは主調で再現されます。
ロンド・ソナタ形式はソナタの最終楽章によく使われます。
ソナタって何?で例に挙げた<悲愴>の第3楽章もロンド・ソナタ形式です。
変奏曲形式
1つの主題を、調や拍子、テンポ、リズムなどを次々変化させていく形式のこと。
モーツァルトの「きらきら星変奏曲」が有名ですよね。
|