Let's Play The Piano〜ピアノを始めよう!〜

調

ハ長調とかイ短調とかきいたことありますよね?
ここではその〜長調や〜短調の調についてまとめてみます。
別に知らなくてもいい人は後まわしでも構いません。
ちょっと難しいので。

飛ばす場合は調名、調号以降を読めば演奏できます。

では調について勉強しましょう。
まず長調とは長音階で作られた曲、短調とは短音階で作られた曲をいいます。
長音階?短音階??って何?と思われると思いますので長・短音階の話を簡単にします。

長音階の特徴


上の楽譜を見てください。
多分皆さんに一番お馴染みのド(ハ)から始まる音階です。
これをハ調長音階といい、この音階で作られた曲をハ長調といいます。
長音階とは上の楽譜のように全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音 の組合せからなっています。

ではソ(ト)から始まるト調長音階を作って見ましょう。
まず「ソ」から始まる音階を書きます。
「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ」
ソラは全音、ラシは全音、シドは半音、ドレは全音、レミは全音、ミファは半音、ファソは全音。
全全半全全全半(音は省略)にしなければいけないのでファに♯を付けて半音上げます。
するとミファ♯は全音、ファ♯ソは半音なので、全全半全全全半のならびが出来ました。
つまりト調長音階は「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ」となります。
この音階で曲を作ればト長調になります。
他の長音階も書いてみましょう。
  ●練習に使ってね-------------→五線譜

短音階の特徴


上の楽譜はイ調短音階です。
短音階になると全半全全半全全 となります。

同じようにド(ハ)から始まるハ調短音階を作ってみましょう。
まず「ド」から始まる音階を書きます。
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」
このままだと長音階です。
全全半全全全半になっているのを全半全全半全全にしなければいけません。
そこでレミの全音をレミ♭にして半音にし、ミ♭になったことでミ♭ファは全音になります。
ソラも半音にするためラ♭にし、シもシ♭にすることでラシ・シドが全音になります。
よってハ調短音階は「ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド」となります。

ハ調長音階とハ調短音階の響きを確認してみてください。
   
ハ調長音階を聴く                ハ調短音階を聴く

長音階は明るく、短音階は暗い感じに聞こえましたよね。
長調か、短調かは響きを聴いてみて
明るい感じであれば長調、暗い感じであれば短調と判断することが出来ます。

ところでハ調短音階をきいて違和感を感じませんでしたか?
最後の方がしっくり終わらないような感じです。
違和感を覚えるのは当然です。

長・短音階にはそれぞれ3種類あります。
・「自然短音階(長音階)」
・「和声短音階(長音階)」
・「旋律短音階(長音階)」
です。
ここであげたハ調短音階は「自然短音階」です。
自然短音階は終止感が弱いのでクラシック音楽では用いられません。
だから違和感を感じるのです。
その弱点を解決するために考えられたのが「和声短音階」です。

「和声短音階」は7番目の音を半音上げることで自然短音階の欠点を解決しました。

イ調和声短音階を聴く

しかしこれだと6番目の音と7番目の音程が非常に歌いにくいものになってしまいます。
それになんだかオリエンタルな感じがしませんか?
その欠点を改良するため考えられたのが「旋律短音階」です。

「旋律短音階」は歌いにくい音程を解決するため6番目の音を半音上げることにしました。
しかしラシドレ…と上って行く時は大丈夫なのですが、ラソファ…と下っていくとき全体の流れが硬くなるので 下りる時は自然短音階を使うことで解決しました。
よって短調の曲は○調旋律短音階や○調和声短音階によって書かれることによって○短調と言われます。
イ調旋律短音階を聴く


一方、長音階にも「自然長音階」「和声長音階」「旋律長音階」があります。
上で挙げたハ調長音階は「自然長音階」です。
一般的に使われているのが自然長音階になります。
「和声長音階」は自然長音階の6番目の音を半音下げたものでモルドゥアー(Molldur)とも呼ばれます。
「旋律長音階」は音が上がるときは普通の長音階で、下るときは6,7番目の音(ハ調ならラ、シ)を半音さげた音階です。
和声長音階よりは一般的ではありません。
旋律短音階のように曲全体で使われるのではなく部分的に使われます。


調名調号

上で述べたように曲調が明るければ長調、暗ければ短調と分かったと思います。
またハ長調の場合はハ(ド)から始まる長音階で作られた曲だと分かりました。
でももっと楽譜を見て簡単に見分ける方法はないのか?
というと調号を見ると分かります。
調号とは音部記号と拍子の間にある♯や♭のことです。
長音階や短音階で規則的に付けられた♯や♭をまとめて表示してあります。

上の音階はソ(ト)で始まるト調長音階です。
ト調長音階ではファに♯がつくので、その音階によって作られたト長調の曲に出てくるファには♯が付きます。
よって調号はファの位置に♯があります。
つまり調号が♯一つの場合、長調ならト長調となります。


↓は長調の場合の調号の♯、♭の数と調名です。

♯の数
調名 嬰へ 嬰ハ
♭の数
調名 変ロ 変ホ 変イ 変ニ 変ト 変ハ

↓は短調の場合の調号の♯、♭の数と調名です。
♯の数
調名 嬰ヘ 嬰ハ 嬰ト 嬰ニ 嬰イ
♭の数
調名 変ロ 変ホ 変イ




例えば上の調号だと♯が3つですのでイ長調か嬰ヘ短調になります。
また♭が3つですので変ホ長調かハ短調になります。

また調号が増えていく順番は決まっていますので覚えましょう。
♯の場合 ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ・シ
♭の場合 シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファ
これば長調、短調関係ありません。例えば♯が3つならファ・ド・ソに♯が付き
♯が4つならファ・ド・ソ・レに♯が付きます



調号の効力

臨時記号はその小節内のみでしたが、
調号は調号が変化するまでト長調ならファの音を全て(高さも関係なく)半音上げます。
正しナチュラルでファになった場合
同じ小節内はファのままで、次の小節ではファ♯に戻ります。

調号で常にソの♯がついている場合に臨時記号のダブルシャープがついたらどうなるでしょう?
ソ♯の全音上だからラ♯?
違いますその時は調号を考えずに元の音から全音上げてください。
よってソの全音上のラです。
同じ小節内でナチュラルがつくまでラ、シャープがついたらソ♯です。




親切記号 

まだあるのか…、と覚えることがいっぱい、とお思いでしょう。
ですがこれで変化記号については終わりです。

”親切記号”その名の通り親切な記号です。
何が親切なのかというと、演奏者が見落としやすい変化記号をわざわざ書いてあるのです。

例えば臨時記号でソに♯がついたとします。
臨時記号のルールでは次の小節からはただのソに戻ります。
しかし親切な楽譜では次の小節にソが現れるとナチュラルが書いてあります。
この様にわざわざ書かなくてもいい変化記号を親切記号といいます。

調号でソに♯がついているのに、ソの隣に♯が書いてあってもダブルシャープではありません。
親切記号でただのソ♯です。つまり演奏者に「ソに♯付けるの忘れないでね」と親切に教えてくれているのです。
♯や♭が1つだけなのに全音移動することはありません。


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